近年、弁護士が、精神的な問題を抱え、引きこもりとなったり、弁護士を廃業したり、果ては、極端な場合は、自殺するなどの例が散見される。その原因はどこにあるかは十分調査が進んでいないが、放置してよい問題ではなく、具体的にどのような場合に、問題が生じたかの例を通して、精神的なタフさをいかに身につけるかを検討してみようと気運が生じた。本来、専門家は、その職業上の責任からストレスがたまりやすいと言われ、生命を扱う医師とは異なるが、弁護士も、揉め事の真っ只中に身を置くことから、日々ストレスに苛まれている。これを克服しなければ、当然いい仕事はできないし、逆に押しつぶされれば、勿論よい結果は望めない。
 今回、執筆に当たり、具体的な調査を行ったが、実名を表示することは勿論のこと、具体的な内容から個人名・事件等が推測できないように、相応のフィクションを交えた。また、同様に、執筆者からも推測できないように、執筆者名は掲載しないこととした。