数ヶ月後、今度は、B氏がC氏を紹介してきた。ボスは、B氏ではないので、C氏の事件をS弁護士一人でやらせた。最終的に、有利な和解で解決したところ、B氏と同じように、C氏は、単独でボスと面談した。C氏が帰った後、ボスが、S弁護士を呼んで、「B氏と同じようなことをC氏も言って、報酬を減額された。」という話をした。「B氏に吹き込まれたのかもしれないけど、イソ弁だけに仕事をさせたと文句まで言われてしまったよ。」と半分怒っていた。
 S弁護士は、B氏にしろ、C氏にしろ、真面目に仕事をしても、報われないと思い、人間不信に陥ってしまった。他の人は違うと思いながら、この人ももしかしたら、という気持ちが拭えず、面談をしていても、不信感を露わにして話すようになってしまった。ボスからは、「もう少し、普通に話をしなさい。それでは、取調べだよ。」と言われても、直りそうもなかった。 (完)