新人弁護士P弁護士は、某事務所に内定を得、一人前の弁護士になるべく志を高く持ち、溌剌として入所初日を迎えた。
 事務所に行くと、早速、ボスから指示がきた。指示は「このような内容の契約を締結したいから、契約書を作成する際のポイントを書いておいて。」というものだった。P弁護士は、「契約書を一から作成するのではなく、まず、ポイントとなる部分を挙げれば良いのですか。」と確認した。そうするとボスは「そうだ。ポイントとなる項目を挙げて。」と返答した。そこで、P弁護士は、張り切って図書館などで調査をし、翌日、ボスに書面を提出した。ところが、ボスは、書面を見るやいなや「契約書を作れと言っただろう。」と前日とは明らかに異なることを声を荒げて述べ、P弁護士を叱責し始めた。P弁護士はボスの言辞に大変驚き、困惑しながらも、ボスの指示に従い、急いで、契約書の作成に着手した。
 日数が経過し、ボスと同僚とのやりとりを伺っていると、ボスの指示は朝令暮改が頻繁であること及びボスは自分が出した当初の指示を覚えていないことが分かった。(続)